2018年 10周年記念公演
私たちの師・小澤陽子が他界してから、そして、ティラナとして活動をはじめてから10年。ティラナの新旧メンバー9名とゲスト(オリッシー・ダンサー毛塚七重さん)によるバラタナティヤムとオディッシーの記念公演を開催いたしました。ティラナの公演には珍しい、真冬の開催となりましたが、沢山のお客様にご来場いただきました。
公演の詳細は、公演案内ページをご覧下さい。
総合的な演出
公演当日に向けて踊りだけではなく、いろいろ準備することがあります。どうやってお客様をお迎えしようかと1年くらい前から練っていきます。HP上での特設サイトの開設、フライヤーやプログラムの作成、司会原稿の作成、エントランスホールの展示や配布物。。。 今回は、古いサリーで作った手作りお土産を用意したり、ナタラージャ像とジャガンナート像を飾ったりとちょっと新しいことにチャレンジ。 ティラナはバラタナティヤムとオディッシーを踊るので、お客様には違いが気になるようです。今回は衣装や飾りの違いについての解説を挟んでみました。 「インド舞踊は初めてです。踊りの意味や衣装の違いの説明もあり、分かりやすかったです」というご感想もたくさんいただきました。常連さんからも「今回、バラタとオディッシーの違いを衣装とかアクセサリーで説明してくれて、あ、そういえば、と改めて気付かせてもらえたので、今後も踊りの違いをいろんな角度から観客の皆さんにお伝えするのは良い企画だと思います」と。 喜んでいただけて良かったです。知ってるようで知らないミニ情報も交えてお伝えしていければいいですね。
ナティユンチュウ
小澤先生がこよなく愛した演目で、私たちにとっては先生を近くに感じる特別な演目です。 ダルパナ・アカデミーのグルジーの何とも言えない美しく、力強いヴォーカルとマヘーシュワーリー先生の絶妙な振付けによって、ナタラージャに体現された宇宙の哲学が舞踊で見事に表現されています。踊ると、この演目がもつエネルギーを感じます。すごいです。 先生をよくご存知のお客様からも「ナティユンチュウ、ありがとう!」「ナティユンチュウ毎回やって!」という嬉しいお言葉をいただきました。先生の踊りを目指して、さらにこの演目の魅力を皆で掘り下げていきたいです。
ティラナ
私たちのグループ名にもなっているバラタナティヤムのフィナーレ演目。いろいろなステップを踊り分けていく軽快な「喜び」の踊りです。 今回はJuri&Akikoのデュオで踊りました。デュオは1日でならず。。。何度も何度も一緒に踊って息を合わせていきます。大変ですが、デュオ作りの醍醐味です。
群舞
本家ダルパナ・アカデミーは、練り上げられた群舞で有名です。私たちも小澤先生のもとで群舞をたくさん踊ってきました。昨年、インドで素晴らしい群舞をいくつも見て、ティラナでも久々にやってみたいなぁと思っていました。メンバーも増えたので、今回は群舞にチャレンジ。気持ちを合わせないといけないのですが、皆で踊るのはやはり楽しい!これからも色々やってみたいですね。 お客様からもご好評いただきました。「群舞いいね!やっぱり華やかだし、エネルギー集結するし、舞台がぱっ!となってはじける感じがある」「バラタナティヤムの群舞、すごくそろっていて、もっと観ていたい!と感じました」
私たちのオディッシー
ティラナのオディッシーの演目は全部で7つのみ。先生に頂いた大事な演目です。先生はスピード感がお好みだったようです。今回は、マニキャビーナ、サベリ・パッラビ、モクシャの3つを選択。 「Odissiのイメージが変わりました。とても楽しませていただきました」との嬉しいご感想。 新規にメンバーも募集していないので、これからもひたすら4人でそれを踊りついでいきたいです。
ゲストの七重さん
七重さんが色々と腹をくくってオリッサに修行に出てからもうすぐ2年。真摯にオリッシーに取り組む姿を尊敬の念をもってみています。最近はしばしば一緒に活動しますが、七重さんから学ぶことはとても多いです。 七重さんがあらわれると舞台が引き締まり、いつの間にか引きこまれまれています。そんなダンサーです。これからの活躍も楽しみですね。 お客様からもご好評だったようです。「ゲストの方の踊りは素晴らしかったです!」「毛塚さんのダンスはまるで神がのりうつったようで、こちらもトランス状態にひきこまれました」「ナヴァドゥルガー、ブバネーシュワルの雰囲気をそのまま日本に連れて帰ってきて下さったようで、感激しました」「力強さと優美さ、どちらも心に迫りました」
新しいメンバー
前回のホールでの公演は2014年8月。それ以降に入ったメンバー5人が初めてホールでの公演に挑みました。踊りを覚え、フォーメーションを覚え、準備を手伝い、集客を頑張り、、、大変な数ヶ月だったと思います。 「新しいメンバーのフレッシュ感」「明るくて清々しい新しいメンバーさんたち」・・・お客様からのご感想ですが、このフレッシュ感というのは初舞台特有の「旬」のものなので、それが伝わったのであれば、すごく嬉しいです。 彼女たちのこれからの成長もぜひお楽しみに!!
<公演を終えて>
無事に10周年記念公演を終えることができました。ひとえに多くの方々のお力添えと応援があったからだと感謝しております。
「ティラナの踊りって何だろう?」・・・それをすごく考えさせられる公演でもありました。これまでは、先生の踊り、先生が目指した踊りをどう踊り、お客様に観ていただくかということだけを考えて走ってきたように思います。しかし、メンバーの半分以上はもはや小澤先生に直接指導を受けたわけではありません。そう、今では、「彼女たちの身体を通じて」それをどうお客様に伝えていくか、観ていただくか、という段階に来ていたからです。
どこまでできたか分かりませんが、ある常連のお客様から以下のようなメッセージをいただきました。
「プログラムを読み返してありありと蘇って来るのは、皆さんのエネルギーいっぱいの動きと笑顔。そう、ティラナの皆さんは、小澤先生の教えも絶対あるんだろうけど、小さくまとまった動きをしないで、全部の動きが思いきり大きくてダイナミック。技術的にまだまだの動きだろうが何だろうが、とにかく精一杯の動き。大きい。それがさらにエネルギーを感じさせる。見ていて気持ち良い。それがティラナの踊りの最大にして最高な特徴です、私にとって。」
メンバー一丸となってこのように感じていただける踊りができていたのであれば、先生に嬉しい報告ができますかね。やっと安心してもらえたような気もします。
私たちは先生ではないので「教える」ということはせず、「伝える」という形をとっています。今回ホールでの舞台が初めてというメンバーが多かったのですが、実際に舞台に立ってみて「伝わった」ことも多いようです。メンバーの感想をちょっと紹介します。
「お客様に喜んいただける素敵さを感じ、それが、喜びに繋がるのだ、、と実感した初公演となりました。。」
「踊りの出来以上に、人を惹きつけるのは、笑顔だという事を実感しました。それも作った笑顔ではなく、心からの喜びの笑顔。ティラナの名にふさわしい笑顔。」
次の10年も地道にコツコツと練習を積み重ねて、また多くの方に喜んでいただけるようなティラナ溢れる踊りを目指していきたいです。今後ともインド古典舞踊ティラナを宜しくお願い申しあげます!!
sayaa