2019年 木更津公演「桜」
バラタナティヤム群舞
皆で心を合わせて一つの演目を心を込めて踊る・・・群舞は私たちの公演のとても重要なパートです。今回はフレッシュな新メンバーを含むバラタ・チーム6名で4つの演目を披露しました。バラタナティヤムの群舞は迫力満点で格好いいですよね!
クリシュナとラーダーの物語
インドではとても親しまれているクリシュナとラーダーの愛の物語。インド古典舞踊でも、数えきれないほど多くの演目が生みだされている題材です。今回は、ゲスト・ダンサー七重さんによるナジャ・ジャムナ(オリッシー)と、クチプディの代表演目クリシュナ・シャブダム(先生の十八番!)を披露しました。どちらもキュートな演目ですね。二人とも、コスチュームではなく久々にサリーで踊ってみました。
マンガラチャラン
オリッシーのオープニングを飾るマンガラチャラン。本公演では、2つのマンガラチャラン・・・ナマミとマニキャビーナを踊りました。ナマミはガネーシャ神に、マニキャビーナはサラスワティ女神に捧げます。今回は一人で300名以上のお客様を集めたKayokoが初めてのトリ!マニキャビーナをソロで披露しました。トリに置く演目ではないのですが、木更津のお客様と私たちの新たな関係の始まりを祈念して、イレギュラーな構成をとってみました。彼女のオリッシーを楽しみにしててくださるお客様も多く、「マニキャビーナ素敵でした」というお声も多数いただきました。
パッラビ
オリッシーのパッラビは、純粋舞踊の深い祈りと身体から湧き出る喜びにあふれた演目です。ラーガによっても振付家によっても様々な表情をもつのも面白いところです。今回は、2つのパッラビをご用意しました。一つは私たちの定番演目サベリ・パッラビをAkikoが初のソロで。慈愛に満ちたパッラビです。そしてもう一つはゲスト・ダンサー七重さんによるラゲシュリー・パッラビ。ラーガの女王の名にふさわしい優美で荘厳なパッラビでした。「Akiko-san, Nanae-san were excellent!!」というご感想をいただきました。心に訴えるものがあったでしょうか。七重さんは純粋舞踊のパッラビと表現舞踊の2つの演目を通じて、オリッシーの奥深さを表現してくれました。「ゲストがとてもよかったです」とのお声も多数。これからの七重さんの活動も楽しみですね。
ジュガルバンディ
本公演の目玉の一つ、ジュガルバンディ。ジュガルバンティとは異なる種類の舞踊などの共演を意味します。クチプディのランガプージャーというシヴァ神を讃える踊りを、クチプディ、バラタナティヤム、オリッシーで共演しました。どれもインドの東海岸の踊りですが、神々への祈りという部分では共通しているものの、発展してきた歴史が異なるため踊り方はかなり違っています。こうしたバラエティの多さもインド古典舞踊の面白さ、奥深さにつながっているのですね。「古典舞踊にも地域によってさまざまな違いがあることがよくわかりました」といったご感想も多数あり、違いも楽しんでいただけたようです。
弟橘媛
本公演では、いつもお世話になっている薩摩琵琶奏者の平喜世さんにゲスト出演していただきました。演目は、「弟橘媛」。ヤマトタケルの東征を助けるために海に身を投げて嵐を鎮めた媛の悲劇の物語。木更津の方々には馴染みのお話ですよね。平さんの演奏も演出もとても魅力的で、お客様も大変喜んでくださったようです。「初めての琵琶に感動しました。語りも素晴らしかったです!!」「薩摩琵琶語りにはひきこまれました。」「「びわ」の演奏、語りも、情景が目にうかかぶようで感動しました。」
公演を終えて
春のやわらかな日差しのなかで、木更津公演「桜」を無事に終えることができました。ご来場くださった300名を超えるお客様、お手伝いの皆さん、ホールの皆さん、そしてゲストの平さん&七重さん、司会の由美子さんのおかげです。
かずさアカデミアホールでの私たちの自主公演は、2009年「波動」、2012年「Tillana~喜び~」に続いて3回目となりました。10年以上にわたってご縁が続いていたことに、あらためて感謝の気持ちでいっぱいです。
私たちの活動の根っこは、やはり先生の活動を継承することです。それは二つあって、一つはインド古典舞踊の素晴らしさを日本中の人々に伝えたい、ということ。リピートしてくれる方、インド古典舞踊のファンになってくれる方を増やすために、公演活動を継続することは重要です。もう一つは、その素晴らしさをお客様に見せるために日々のレッスンを怠らないということです。
今回の公演で、結成時から試行錯誤を重ねつつも地道にコツコツとやってきた活動が、少し実ったのではないかと思えるようになりました。それを教えてくれたのは、もちろんお客様です。お客様にいただいたアンケートをご紹介しましょう。
何度も私たちの公演をご覧になっている方がこんなにいらしたとは!!
*今回で2回目を見せていただきましたが、ゆっくりとした動きからはげしい動き、衣装もすばらしく、どれをとってもとても良かったと思います。
*3回目となりますが、とてもすばらしかったです。踊りにそれぞれ物語があるのを初めて知りました。神への信仰の深さをとても感じました。
*今回で4回目を観せていただいて、とても感動しました。
*初めてティラナの公演を観たのが高野山東京別院でした。その時は踊り手のしなやかな動きと独特の表現に不思議な感覚を感じました。その後も何度か観させて頂く中で少しずつ踊りの意味も解るようになり、又皆様の踊りにも磨きがかかり、楽しみになっています。
*昨年より今日を楽しみにしておりました。
*インド古典舞踊ティラナを、木更津での公演を、毎回楽しみにしておりました。
また観たいと思ってくださる方もいらっしゃいました。こうしたお声も本当に嬉しいですね。
*奥深いインド古典舞踊を直に目にすることが出来まして感動致しました。何か不思議な心になります。今後もティラナの公演アカデミアでされますことを望みます。
*見るもの聞くもの全て初めてでしたが、また観たいナと思い、良かったです。
*皆様、又、会いたいです。
舞台の背後にある練習を想像して、一人一人が頑張っていることを評価してくださったお客様も多くいらっしゃいました。先生がもっとも大事にしていた「日々のレッスン」が伝わったようです。
*皆さまの練習の成果がすばらしく、全ての演目、良かったです。
*各舞踊のストーリーがよく表現されていました。よく練習の成果が判りました。素晴らしかったです。
*The dancing was amazing. Each person did great.
笑顔、エネルギー、音楽と身体、心と身体・・・いつものレッスンで皆が意識していることも伝わっていたようです。インド古典舞踊がもつ大きな力ですよね。
*インド舞踊の神秘の感覚に導かれました。踊り子の全身にシバ神が宿っている場のようでした。
*心を体の動きで表現することの大切さを学びました。
*力強い舞のパワーをいただきました。
*笑顔で踊っているのが印象的でした。
*近くで見て、細やかな表現、目の動き、たくさん気づきました。
*音楽にあわせての鈴の音が心地よく楽しませてもらいました。
*踊り手の方の豊かな表情に引き込まれ、曲を耳で聞きながら、物語を体で感じられる程に楽しませていただきました。
これまでの公演も含めて、出来なかったことや失敗してしまったこともたくさんありました。「いつもどおり」というご感想も。いつも観てくれているからこそですよね。それを含めて10年以上も私たちの活動をあたたかい目で見ていてくれたお客様がこんなにいらしたことに、本当に感謝の気持ちしかないですね。ほぼ一人で集客を頑張ったメンバーのKayakoが「木更津、君津、袖ヶ浦、富津と、沢山のお客様の優しさに包まれているよう」と表現するように、本当にあたたかい雰囲気の公演でした。ティラナはお客様に育てていただきましたね。これからも皆で精進します!!
sayaa